OFAC・FCPA関連情報

OFAC違反事例


2020年9月24日

違反企業

Keysight Technologies, Inc. (カリフォルニア州)

Anite Finland Oy (フィンランド、Keysight Technologies, Inc.に統合される)

 

業種
無線業界向けに試験・計測機器および関連ソフトウェア製品を設計・販売

 

違反概要

OFACの承認なく、米国の輸出規制内容物を10%以上含む商品をイランに再輸出

 

  • 法定最大制裁金:$2,102,920
  • 基本制裁金:$1,051,460
  • 和解金・最終制裁金:$473,157
  • Voluntarily self-disclosed? (自発的な自己開示したか?): Yes
  • Egregious case? (ひどい、悪質なケースか?): Yes

 

違反詳細

OFACは、以下の罪が重くなる要素を確認した。

  1. Anite は、Keysightのイラン関連業務停止命令を回避するための計画の一部として、米国から輸出された10%以上の米国輸出規制コンテンツを含む製品を6つの注文で出荷した際に、故意にITSR(Iranian Transactions and Sanctions Regulations:イランに対する取引及び制裁規則)に違反した。
  2. Anite の上級支店長および営業部長は、この違反行為を認知した上で、積極的に参加していた。
  3. Anite のイランへの再輸出額は、その隠蔽と難読化の試みと相まって、ITSR のプログラム目的を著しく害した。

 

 OFACは以下の減免の要素を確認した。

  1. Keysight と Anite のいずれも、明らかな違反の原因となった取引に先立つ 5 年間、OFAC から違約金通知または違反の指摘を受けていなかった。
  2. Keysight は、明確かつ組織的な方法で OFAC に記録や情報を提出し、フォローアップ情報のすべての要請に適時かつ効率的に対応し、時効失効契約を締結するなど、OFAC の調査に全面的に協力した。
  3. Keysightは、本件違反の原因究明のために徹底した内部調査を行い、複数の改善策を講じた。具体的には、明らかな違反に関与した従業員を解雇し、直ちに、過去および現在の取引がOFAC規制に準拠しているかどうかを評価し、現在の取引を停止する仕組みを導入し、制限国が関与する取引を今後行わない措置を講じた。
  4. Keysightは、制裁コンプライアンス・プログラムを強化し、特に、将来の類似行為の再発リスクを最小限に抑えるために、コンプライアンス・コミットメントの一環として以下の措置を講じた。
  • 貿易コンプライアンスに関する同社の詳細な方針、手順、およびリソースを含め、AniteをKeysightのコンプライアンス・プログラムに完全に統合した。
  • Anite の担当者向けに営業担当者およびその監督者向けの年 1 回の貿易コンプライアンストレーニングを含む強化トレーニングを実施し、Keysightへの統合時に Anite の経営陣、法務、物流、販売、カスタマーサービス担当者向けの追加トレーニングを実施した。
  • 貿易コンプライアンスのために、Aniteの各取引のスクリーニングを強化し、Keysightによる完全な可視化と手動スクリーニングを実施した。

 

コンプライアンスに関する考察

この事例は、米国から米国輸出規制コンテンツを調達している外国企業に対して、積極的かつ継続的な制裁遵守管理を実施することの潜在的なメリットを強調している。このような状況下では、リスクベースのアプローチの一環として、特に米国人は、新たに買収した海外子会社に関連する制裁リスクを評価し、それらの子会社がそのリスクを軽減するために必要なコンプライアンス管理を採用し、維持することを保証するよう奨励されています。これには、新たに買収した海外子会社を組織の制裁コンプライアンス・プログラムに適切に組み入れ、組織全体でコンプライアンスの文化を促進することが含まれる。

2020年9月17日

違反企業

Comtech Telecommunications Corp. (ニューヨーク州)

Comtech EF Data Corp. (アリゾナ州、Comtech Telecommunications Corp.の100%子会社)

 

業種

先端のコミュニケーションシステム、ソフトウェア、サービスの販売

 

違反概要

OFACのスーダン制裁プログラムに反して、保証付き衛星機器とファシリテートサービス、トレーニングをスーダン政府出資会社に提供

 

  • 法定最大制裁金:$1,168,772
  • 基本制裁金:$584,386
  • 和解金・最終制裁金:$894,111
  • Voluntarily self-disclosed? (自発的な自己開示したか?): Yes
  • Egregious case? (ひどい、悪質なケースか?): Yes

 

違反詳細

OFACは、以下の罪が重くなる要素を確認した。

  1. EF Dataは、OFACライセンス申請が保留されている間(最終的に否決)、SCAA(Sudan Civil Aviation Authority)へ提供された機器の保証サービスの承認行い、US制裁要件に反し、最低限度の注意を怠った。
  2. EF Dataは、衛星機器の販売が明らかな違反になるというスクリーニングソフトウェアからのアラートのような警告を見逃し、取引を続けていた。
  3. 輸出コンプライアンス担当含むEF Dataの管理者は、機器の最終目的地がスーダンで最終的な顧客がSCAAであると実際に知っていたにもかかわらず、間接的に製品の輸出とサービスの提供を行っていた。
  4. EF Dataの明らかな違反は、SCAAにUS製の衛星機器へのアクセスを許し、SCAAがトレーニング、保証、電話サポートサービスを受けることも容易にし、結果としてスーダン政府へ経済的恩恵をもたらした。
  5. EF Dataの親会社であり、国際的に重要な事業を展開している先端のサプライヤであるComtechは、複数の海外子会社を持ち、その事業にOFAC規制が適用された経験を持つ。
  6. EF Dataは、OFACの召喚状や情報提供要求に応じて説明が変わり、その召喚状の回答は、EF Dataの元輸送・輸出コンプライアンス担当ディレクタにより関連文言が削除されたComtechとMemotecの担当者への国際電子メールを含んでいた。そのため、OFACは、明らかな違反を正確に記録するために多大な追加の時間とリソースを費やすことになった。

 

OFACは以下の減免の要素を確認した。

  1. ComtechとEF Dataは、当該違反の取引時点より前の5年間でOFACから違反や制裁金の通知を受けていない。

 

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