2015年より法人番号の指定が開始されてから10年が経過しました。行政機関同士の情報連携等の効率化を目的として実施された本制度ですが、うまく活用することで金融機関のAML等業務においてもメリットをもたらすと考えられます。
本記事では、法人番号制度の概要や背景から、顧客管理における活用方法までを整理して解説します。
目次
法人番号制度の概要と背景
「法人番号」は2013年5月に成立した「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(番号法)」に基づいて、法人に対して指定される番号です。当時、行政機関はその手続きや目的に応じて企業を識別するコードを発番・管理しており、13種類以上の企業コードが存在する状況でした。
こうした複雑さを解消し、 行政機関同士の企業情報の連携や、企業側の行政手続きの効率化を目的として、法人番号制度が設計されました。
府省名
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コードの名称
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申請等件数
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使用手続き
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金融庁
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①代理申込コード
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60万件
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生命保険募集人登録事務など2手続き
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②免許人コード
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16万件
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損害保険募集人登録事務など2手続き
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総務省
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②免許人コード
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60万件
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無線局再免許申請など2手続き
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法務省
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③会社法人等番号
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220万件
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商業・法人登記の申請
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④ユーザー名
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120万件
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乗員上陸許可および次乗員上陸許可申請など2手続き
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財務省
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⑤利用者コード
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4832万件
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入出港届等の提出、輸出申告など11手続き
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⑥輸出入者符号
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内4426万件
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輸出入申告など4手続き
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⑦船会社コード
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内126万件
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入出港届等の提出など4手続き
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⑧航空会社コード
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内109万件
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入出港届等の提出など3手続き
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厚生労働省
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⑨労働保険番号
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469万件
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労働保険事務の処理の委託など5手続き
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⑩雇用保険適用事業所番号
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161万件
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雇用保険被保険者資格取得届など17手続き
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⑪社会保険事業所整理記号
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7159万件
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健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届等17手続き
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農林水産省
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⑫輸入者番号(符号)(注2)
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186万件
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食品等の輸入の届出
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⑬荷受人番号(符号)
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54万件
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指定検疫物の輸入届出など2手続き
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法人番号は13桁で構成されており、国税庁管轄のもと国等の機関・地方公共団体、設立登記法人、一部団体に対して付与されます。一度法人番号が指定されると国税庁の「法人番号等公表サイト」上で以下の基本3情報が公開されます。
・商号又は名称
・本店又は主たる事業所の所在地
・法人番号(13桁)
なお、商号や住所に変更があった場合、吸収合併等があった場合は変更履歴情報にその旨が表示されます。

(国税庁「法人番号公表サイト」より)
なぜ「法人」単位なのか?
一定の行政機関同士の情報連携が容易になることが期待される法人番号ですが、実務上は不十分といえるケースがあります。従業員が雇用される事業所と特別徴収義務者としての事業所が異なるように、地方税、健康保険、雇用保険などの各分野において把握すべき事業所の範囲や単位が異なるため、統一的な事業所単位での管理は依然として課題となっています。
民間の企業識別コードとの違い
民間においても企業調査会社や業界団体が発行する企業識別コードが複数存在します。
名称
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発番組織
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発番単位
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発番対象地域
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桁数
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TSRコード
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東京商工リサーチ
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企業
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日本
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9桁
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D-U-N-S® Number
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Dun & Bradstreet(米国)
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事業所
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全世界
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9桁
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TDB企業コード
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帝国データバンク
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企業
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日本
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9桁
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共通取引先コード
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流通システム開発センター
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事業所
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日本
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6桁
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金融機関コード
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全国銀行協会
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企業
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日本
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4桁
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標準企業コード
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日本情報処理開発協会
電子情報技術産業協会
建設業振興基金
日本鉄鋼連盟
他
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事業所
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日本
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12桁
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上記民間の企業識別コードは、主に企業情報の購入や特定業界間の商取引を意図したものである一方で、法人番号は無料で全国横断的に基本3情報を誰でも取得できる点がメリットです。
顧客管理における法人番号の活用
多くの預金取扱金融機関においては法人顧客管理の単位が口座ごとになっていますが、実務上リスクを抱えている恐れがあります。例えば、ある法人が部署ごと・取引目的ごとに複数の口座を開設した結果、口座Aと口座Bが同一法人のものであると認識できていないケースや、口座名義人の会社名に表記揺れが生じている場合も、正確な管理が難しくなります。
金融庁「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」によると、各金融機関は「全ての顧客について顧客リスク評価」が求められていますが、口座単位でリスクを評価してしまうとその法人が持つ資金規模や取引パターンを正しく把握することができず、結果としてリスクを見誤る恐れがあります。
このような場合に法人番号をキーとした顧客管理ができていると、法人単位での適切なリスク評価に繋げることができます。
その他、CRM等の外部サービスとの連携を容易に実現できるほか、企業同士の合併時における顧客データ統合の省力化など、幅広い場面での活用が期待されます。
本稿では、法人番号の概要や活用例について紹介しました。
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