FATF対日相互審査フォローアップ報告書(第1回)の内容について
2022年9月13日にFATFにより「対日相互審査フォローアップ報告書(第1回)」が公表されましたので、そちらの内容をお伝えします。
「FATF対日相互審査フォローアップ報告書(第1回)の内容について」
今号では、「FATF不動産分野向けリスクベース・アプローチガイダンス」の内容をお伝えする予定でしたが、9月13日にFATFにより「対日相互審査フォローアップ報告書(第1回)」が公表されましたので、そちらの内容を先にお伝えします。「FATF不動産分野向けリスクベース・アプローチガイダンス」の内容については、次号11月11日にお送りします。
日本の対応
・行動計画において、特に、NRA※(2021年に完成・採択)の更新およびNRAで特定したリスクに基づくマネロン、テロ資金供与及び拡散金融対策に係る国の政策を策定
※National Risk Assessment(犯罪収益移転危険度調査書)
・行動計画において、資産凍結措置の執行強化や法改正など、拡散金融対策の改善に向けたアクションアイテムを設定
・テロ資金供与政策については、テロ資金供与の捜査・訴追の強化、特定事業者におけるテロ資金供与に関するリスク把握の強化、資産凍結措置の実施の強化を推進するタスクフォースの設置を計画
・NPOがテロ資金のために利用されることを防止するための政策策定を計画
一方で、データ保護に関して第4次相互審査で特定された小さなギャップ(連絡会議でAML/CFTがどの程度重視されているか不明であること)は、政策会議の義務がFATF Methodology Criterion 2.5の要件を完全に満たすかどうか不明であるため、未対応のままである、とされています。
フォローアップ審査結果
日本は、第4次相互審査で指摘された欠陥のほとんどに対処しているが、軽微な欠陥が残っているとして、勧告2は「LC(概ね適合)」と評価されました。

以上、今号では、「FATF対日相互審査フォローアップ報告書(第1回)の内容について」の概要をお伝えしました。次号では、今年7月にFATFが公表した、「不動産分野向けリスクベース・アプローチガイダンス」の内容をみていきます。

コンプライアンス・データラボ株式会社
代表取締役、CEO
山崎博史(Hirofumi Yamazaki)
富士通、NTTデータにてERPや規制関連システムの企画、開発に従事した後、米国系コンサルティングファームにてリスクマネジメントに関するコンサルティングを多数の金融機関等へ展開。2012年米国Dun & Bradstreet社の日本法人に入社し、プロダクトマーケティング責任者として、リスクマネジメントやコンプライアンス関連製品の国内リリース及び販売を推進。2020年より東京商工リサーチに転籍し、ソリューション開発部長としてコンプライアンス分野を中心にソリューションを展開、現在に至る。
・公認グローバル制裁スペシャリスト (CGSS)
・公認アンチ・マネーロンダリング・スペシャリスト(CAMS)
・公認情報システム監査人(CISA)
・米国ジョンズ・ホプキンス大工学修士(MSE)
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