「FATF対日相互審査フォローアップ報告書(第1回)の内容について」
今号では、「FATF不動産分野向けリスクベース・アプローチガイダンス」の内容をお伝えする予定でしたが、9月13日にFATFにより「対日相互審査フォローアップ報告書(第1回)」が公表されましたので、そちらの内容を先にお伝えします。「FATF不動産分野向けリスクベース・アプローチガイダンス」の内容については、次号11月11日にお送りします。

図1: 第4次対日相互審査フォローアップレポート(第1回)
第4次対日相互審査結果
日本は、FATF第4次相互審査において勧告2(国内関係当局間の協力)について、PC(一部履行)と評価されました。
その主な理由は、リスクに応じたAML/CFT方針の策定と定期的な見直し、AML/CFT対策の調整、拡散金融への対応について、責任の所在が不明瞭であること、また、AML/CFT関連当局とデータ保護・個人情報保護団体との連絡会議が定期的に開催されてはいるが、AML/CFT がこれらの会議でどの程度重視されているかは不明であると指摘されています。
日本の対応
第4次対日相互審査の結果が公表された後、日本は以下の対応を取っているとFATFに評価されています。
・「マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策政策会議」を設置し、マネロン・テロ資金供与・拡散金融に関する行動計画を発表し、国内の協力・協調体制に関するいくつかの欠陥に対処
・行動計画において、特に、NRA※(2021年に完成・採択)の更新およびNRAで特定したリスクに基づくマネロン、テロ資金供与及び拡散金融対策に係る国の政策を策定
※National Risk Assessment(犯罪収益移転危険度調査書)
・行動計画において、資産凍結措置の執行強化や法改正など、拡散金融対策の改善に向けたアクションアイテムを設定
・テロ資金供与政策については、テロ資金供与の捜査・訴追の強化、特定事業者におけるテロ資金供与に関するリスク把握の強化、資産凍結措置の実施の強化を推進するタスクフォースの設置を計画
・NPOがテロ資金のために利用されることを防止するための政策策定を計画
一方で、データ保護に関して第4次相互審査で特定された小さなギャップ(連絡会議でAML/CFTがどの程度重視されているか不明であること)は、政策会議の義務がFATF Methodology Criterion 2.5の要件を完全に満たすかどうか不明であるため、未対応のままである、とされています。
フォローアップ審査結果
日本は、第4次相互審査で指摘された欠陥のほとんどに対処しているが、軽微な欠陥が残っているとして、勧告2は「LC(概ね適合)」と評価されました。
図2:FATF第4次対日相互審査第1回フォローアップ結果
以上、今号では、「FATF対日相互審査フォローアップ報告書(第1回)の内容について」の概要をお伝えしました。次号では、今年7月にFATFが公表した、「不動産分野向けリスクベース・アプローチガイダンス」の内容をみていきます。
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